やりたいことをやる
そもそも、やりたいことを見つけるのは、
実は結構難しい。
ましてや、本当にやりたいこととなると。
そして幸せなことにやりたいことが見つかって、
やろうとしたときにいろんな障壁がでてくる。
主には、時間、お金、体力の3つ。
家族がいたら、好きなように時間とお金を使うことは難しいだろうし、
歳を取ってきたら、体力は落ちてくる。
自転車競技を始めたのは大学生になってから。
サイクリング部のツーリング班に入り、
荷物を沢山積んだ自転車で旅をしていたが、
先輩がマウンテンバイクの日本代表になって世界選手権に行くとなり、
自分も頑張ったら、日本代表になれるかもしれないと思った。
2000年、2年生からクロスカントリーを始めて、
4年生で日本代表でアジア選手権と世界選手権に出た。
学生はお金はそんなにないが、時間と体力はかなりある。
そして、2003年にシマノに入社した。
自転車部品の開発をしながら、休日には自転車に乗りまくった。
レースにもたくさん出た。
仕事を始めたことで、時間は減ったがお金は手に入った。
一緒にレースに出てくれる先輩、後輩も沢山いた。
ただ、バランスは少しずつ崩れていって、
自分が本当にしたいことを意識するようになった。
(いい意味で)諦め上手になる。
あれもこれもやるってのは不可能だと気が付いた。
その中で、自分ができる範囲でできることを意識するようになった。
変えられないものに悩んでも時間の無駄だ。
2008年に結婚、山口に引っ越しした。
レースを転戦するのは物理的に不可能になる。
それを理解するのは簡単だったから、
マウンテンバイクは2007年で参戦するのを辞めた。
辞めるからには、やり切ったと思えるように。
エリートで優勝して、表彰式で今日で最後と言って辞めた。
シーズン途中だった。
2011年に山口国体が開催されるので、
中学生、高校生、大学生と一緒に練習するようになった。
ロードがメインだが、トラック競技にも出る必要がある。
自分よりも一回りくらい若いのと一緒に練習するのは楽しかった。
成長速度が全然違う。
寝て起きたら回復をしている。
国体をメインに競技は続けた。
2019年で国体参加10回の表彰を受けて国体に参加するのも辞めた。
38歳になっていた。
コロナで大会がことごとく無くなったが、
そもそも自転車に乗るのが好きなので関係なかった。
2022年からマスターズ競技に本格的に参加を始めた。
マウンテンバイクで山遊びを始めていたので、
時間のかかる週末のロード練習はほとんどしなくなった。
楽しくないし、そんな時間はとりたくない。
レースに出ることで、コンディションを整えていき、
ロードレースで優勝することができた。
マウンテンバイクはエントリーしたものの、
試走で転倒して手首を捻挫してスタートせずに会場を去った。
それでも2023年にマウンテンバイクも優勝することができた。
2024年はシクロクロスに出ようと準備したが、
スタート位置を決める大会が一番近くても滋賀。
1戦のポイントだけでは3列目スタート。
全日本選手権で宇都宮まで行ったが、前に追いつくのに足を使ってレースにならなかった。
今年は大阪で開催なので出るか悩んでいたが、
ポイントをとれる大会が同一週で連戦だったので出ることにした。
2戦とも最後尾スタートだったが、確実にポイントをとって、
2列目のスタートになった。
若い時と比べて、時間も体力も減った。
ただ、経験は圧倒的に増えた。
そして本気で取り組む楽しさを知った。
中途半端ならやらない方がいい。
ましてや後でぐじぐじ後悔するなら尚更。
これからも自分が楽しいと思えることを見つけてやっていく人生でありたい。
さぁ、次は何をしよう?

>井上さん
こちらこそ楽しいレースをありがとうございました。
いつ追いつかれるかドキドキしながら、
とにかくミスをしないように走ってました。
これからも自転車楽しみましょう〜